同じお薬をもらっても払う金額が違うんだって(続き)

さて前回は調剤基本料についてご紹介し、「調剤基本料2」と「調剤基本料3」のケースを見てみました。
今回は残る「調剤基本料1」「調剤基本料4」「調剤基本料5」「特別調剤基本料」について一気にご説明します!
今回も情報てんこ盛りですが是非お読みください。

調剤薬局で支払うお薬代の謎 その2

前回の記事でご紹介したように、「調剤基本料」は以下の6種類があります。

  1. 調剤基本料1(41点)
  2. 調剤基本料2(25点)
  3. 調剤基本料3(20点)
  4. 調剤基本料4(31点)
  5. 調剤基本料5(19点)
  6. 特別調剤基本料(15点)

そして、このかっこの中は点数で、薬局ではいろんな点数を1点10円で換算して私たちの支払う料金を計算するということでしたね。
前回ご説明した「調剤基本料2(25点)」「調剤基本料3(20点)」は、ざっくりいうと「特定病院からの処方せん取扱が規定%以上のいわゆる『門前薬局』」ということでした。
では門前薬局以外の、言ってみればごく普通に商店街などにある調剤薬局は何に当てはまるかというと、「調剤基本料1」になります。
言い換えると「調剤基本料1(41点)はチェーン薬局ではなく特定の医療機関の処方せん受付回数が集中していない薬局」といえるかと思います。(もちろんそれ以外のケースもあります)
ここで「えっ!」と思われた方、鋭いです。
身近にある普通の薬局が調剤基本料1ということは・・・実は一番調剤基本料が高い(41点なので410円)ということです!
これは色々な考察ができますが、門前薬局の場合は(悪く言えば)黙っていても患者さんがたくさんの処方せんを持ってくる可能性が高いため、薬局という特性に対し立地的に不利な薬局では調剤基本料を高く設定しているという見方ができるかと思います。
調剤基本料3と調剤基本料1の薬局では、処方せん1枚毎の差が21点、つまり210円違いますから、この差は薬局の経営にとっては非常に大きいものとなります。

残る調剤基本料は簡単です

ここまで調剤基本料について1,2,3についてご説明してきました。
残りの調剤基本料4、調剤基本料5、特別調剤基本料についてですが、これらは調剤基本料1,2,3の別パターンということになります。
実際には以下のような説明となります。

  • 調剤基本料4(31点)  調剤基本料1(41点)の薬局ですが「妥結率が50%以下」の場合
  • 調剤基本料5(19点)  調剤基本料2(25点)の薬局ですが「妥結率が50%以下」の場合
  • 特別調剤基本料(15点) 調剤基本料3(20点)の薬局ですが「妥結率が50%以下」の場合

それぞれこれまでの条件式で調剤基本料1,2,3に分類された後に、「妥結率」の区分が追加されたものとなっております。
さてこの「妥結率」とは何でしょうか。

妥結率とは

「妥結率」というのは薬局の業界で使うときは「薬の仕入れ値が決まったものの率」です。
「おや?」と思う方もいらっしゃると思います。「薬の仕入れ値が不明な薬があるの??」という疑問はごもっとも。
ただこれは「薬局」という商売の特性に関連しています。例えば患者さんが処方せんを持って来た時に在庫がない場合、必要であれば薬を急ぎ取り寄せして渡すといったことがあります。
この場合、仕入れ値が決まっていなくても患者さんにお薬を渡すことがあるのです。
とはいっても昔は仕入れ値が決まっていない(後から決める)のが多かったのですが、様々な整備の進んだ現在ではこのような「仕入れ値不明」のケースは少なくなっています。

ここまでのまとめ

ここまでをまとめます。本サイトの独自解釈を含みますが、わかりやすく分類すると下記のようになります。

  1. 調剤基本料1(41点)=チェーン薬局ではなく特定の医療機関の処方せん受付回数が集中していない薬局
  2. 調剤基本料2(25点)=チェーン薬局ではないが特定の医療機関からの処方せん受付回数が多い薬局
  3. 調剤基本料3(20点)=チェーン薬局であって特定の医療機関からの処方せん受付回数が多い薬局
  4. 調剤基本料4(31点)=調剤基本料1の妥結率50%以下
  5. 調剤基本料5(19点)=調剤基本料2の妥結率50%以下
  6. 特別調剤基本料(15点)=調剤基本料3の妥結率50%以下

さて、これで6種類の調剤基本料についてのおおよその説明が終わりました。
これらの調剤基本料の分類ですが、いろんな条件を当てはめた上で、最終的には薬局自体が役所に届出をしなければなりません。役所に届け出て受理されて初めてそれぞれの点数で算定が可能となります。
あまりいいとはいえませんが、薬局が何らかの理由で届出をしない場合や条件と照らし合わせた結果で特別調剤基本料に該当する場合には、届出は不要となり自動的に「特別調剤基本料(15点)」での算定となります。

実際に払う金額は?

ではそれぞれの調剤基本料の場合に、実際の自己負担額について計算してみましょう。

  • 調剤基本料1(41点) 41点x10円=410円 自己負担額(3割)=123円
  • 調剤基本料2(25点) 25点x10円=250円 自己負担額(3割)=75円
  • 調剤基本料3(20点) 20点x10円=200円 自己負担額(3割)=60円
  • 特別調剤基本料(15点) 15点x10円=150円 自己負担額(3割)=45円

※本当は他のいろんな計算があるためこのままの点数ではなく1円から10円単位で違いが出ますがご容赦ください。
一番高い調剤基本料1 123円と一番安い特別調剤基本料45円とは78円の違いがあります。
この調剤基本料は、処方せんでの調剤毎にかかるものです。もし定期的に病院に通院されていて処方せんを薬局に持っていったとしたら・・・

  • 月2回行くと156円の差、年で1,872円
  • 月3回行くと234円の差、年で2,808円
  • 月4回行くと312円の差、年で3,744円

このようになります。
人によっては「それだけしか差がないならどこの薬局でも同じじゃん」と思っているかもしれませんが、処方せんで決まる薬局で払うお金はこの調剤基本料以外にもあるんです。
次回の記事では「後発医薬品調剤体制加算」と「基準調剤加算」についてご説明します。
是非お読みください!

そもそも調剤技術基本料ってどうやって知るの?

そこで!疑問が出ますよね。
「薬局で払うお金を節約したい!」と思っても、これまでご紹介してきたような仕組みで計算できる調剤基本料はどうやって知ることができるのか?
「そんなの見たこと無いよ!」というのが普通です。そうなんです。ほとんどの方が知らないと思います。
実は薬局の壁や掲示板にはこれらの情報がきちんと貼ってあるんです。というか貼らないといけないことになっているんです。
でも、薬局までわざわざ出向いて店内をキョロキョロした挙句、掲示物を探して「あっ!この薬局は調剤基本料が高い!やめとこう」などというのはできないですよね。
この「おくすりロコ」では、駅を基点として周辺の薬局の調剤技術基本料を掲載しています。
ぜひあなたの普段使う薬局がどの調剤基本料の薬局なのか、また薬局さがしの際に是非活用してみてください。
次の記事では「後発医薬品調剤体制加算」と「基準調剤加算」についてご紹介します。話題のジェネリック医薬品には、薬局で払うお金という見方ではちょっとしたカラクリがあるのです。
調剤薬局で支払うお薬代の謎 その3を読む

  • 本記事は執筆時点(2017年3月)での内容となります。
  • 記事の制作にあたっては弊社独自の観点・解釈が含まれます。
  • 当社が提供する記事を閲覧した利用者側の解釈について、正確性、完全性、有益性、特定の目的への適合性まで責任を負うものではありません。また、この記事を閲覧した利用者が、記事内容を元に行った判断・行動、それに伴う結果を保証するものでもありません。利用者さまご自身の責任の下に、判断・行動をして頂くようお願い致します。