「一般名処方」って聞いたことありますか?

処方箋をじっくり見てみよう

皆さんは、病院やクリニックなどで発行される処方箋を、隅から隅までじっくりみたことありますか?
大抵の人は、「前の薬と同じかな?」とか「何の薬が処方されたか確認」と思って見てることは多いと思います。その時「【般】」という文字を見たことはないでしょうか?
今回はその処方箋に記載されている処方の一つ、【般】で記載される「一般名処方」について説明しましょう。

処方箋でのお薬の記載

処方箋の「処方」部分には医師から処方された医薬品名称や1日の用量(錠数やカプセル数、グラム数など)、用法(服用方法)、処方日数などが記されています。
例えば、こんな感じです。

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1 クラリス錠200 200mg                       2錠
2 ムコダイン錠250mg                         2錠
  分2 毎夕                               3日分
3 【般】ロキソプロフェンナトリウム錠60mg    3錠
  分3 毎食後                             3日分
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このお薬の名前の部分を見てください。
3つ目のお薬の名前の前に「【般】」という文字が入っていますが、上2つにはありません。
この違いは何でしょうか?

商品名と成分名

種明かしをすると、上2つは”商品名(銘柄名)”が記載されています。
“商品名(銘柄名)”は製薬会社(製造会社や販売会社がありますがここではまとめて製薬会社としました)が命名したものです。薬局では記載されたとおりの”商品名(銘柄名)”のお薬を調剤することになります。
※ジェネリック(後発医薬品)に変更した場合には別の商品名のお薬が調剤されます。

3つ目の【般】がついている医薬品は”商品名”では無く”一般名(成分名)”が記載されています。成分だけが記載されているので、薬局ではその成分を含むお薬を選定して処方することになります。
この例ですと成分がロキソプロフェンナトリウム錠60mgの複数の商品名のお薬から調剤されることになります。

つまり、「商品名」が書いてあれば薬局側はその商品(お薬)を提供し、「【般】」が書いてあればそれは商品名指定ではないので、薬局側で適切な商品を選ぶ必要がある、ということです。
そして、この【般】が今回ご説明する「一般名処方」というものです。【般】は”一般”の略です。

一般名処方の意義

それではこの「一般名処方」について詳しく解説しましょう。

「一般名処方」は2012(平成24年)年4月から始まりました。意外でしたか?2017年現在、すでに5年が経過している制度です。
“商品名(銘柄名)”を記載せずに「一般名」で記載できるようになった経緯は一体どういったものだったのでしょうか?これはずばり、「一般名処方は厚生労働省がジェネリック(後発医薬品)の使用促進を図るために導入」した施策です。これまでも、そしてこれからも増え続ける医療費のうち、薬剤料に関してはジェネリック医薬品へどんどんシフトしていくことで少しでも医療費を抑制しようと考えられた施策です。
この一般名処方により、処方する側の医師は、先発医薬品か後発医薬品(ジェネリック)かといった個別の銘柄にこだわらず、処方をおこなうことができるようになりました。そして薬局側(薬剤師側)では、この【般】が付いたお薬は後発医薬品だけではなく先発医薬品問わず調剤ができます。
そして、目的が医療費の抑制であるとことから、厚生労働省からの「後発医薬品の使用促進策について」などには以下のように記載が明記されています。

・一般名処方がおこなわれた医薬品については原則として後発医薬品が使用されるように、後発医薬品の有効性・品質について懇切丁寧に説明をし、後発医薬品を選択するよう努める。
・後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。

国としてはそもそも医療費の抑制のための制度としてスタートしたのだから、一般名処方で処方箋が来た場合には積極的に後発医薬品(ジェネリック)を調剤すること!もし先発医薬品を調剤したらその理由を書いて提出しなさいよ!!というプレッシャーでしょうか。

一般名処方の目的を理解しよう

一般名処方はまだ患者側への認知が十分とは言えません。しかし今後は一般名処方が増える傾向になると予想されます。
私たち患者自身がこの制度の目的を正しく理解することがまず大切です。その上で、自分の処方箋に【般】のお薬がある場合には、「ジェネリックでお願いします」と薬剤師さんに伝えて相談してみてください。

※一般名処方にすることで必ずしもお薬の値段が安くなるということではありませんのでご注意ください。